成長をとことん待つ
私達は決して焦らず ご本人の成長を見守ります。
サード八王子では、入居前・入居後のアセスメントを重視し、ご本人の「できる部分」「できそうな部分」「できにくい部分」を関係機関のみなさまと共有し、利用者様の意思を尊重したうえで、自己決定していただけるよう職員全員で成長を見守ります。

他業種から入職して、利用者支援を10年部下の成長をサポートすることが新たな喜びに
- サービス管理責任者 原島 憲和(はらしま のりかず)
- 2010年4月入社
- 精神保健福祉士・介護福祉士
-簡単な自己紹介をお願いします。
原島) サード八王子でサービス管理責任者をしている原島憲和です。前職は高齢者の介護サービス事業所でマネージャーをしていました。
精神保健福祉士の資格を取得していたので、介護よりも精神・知的障害者への支援の興味があり、当事者の方と直接関われるような仕事をしたいと思い転職しました。入社後には心理支援にも興味を抱き、公認心理師の資格も取得しました。

-サード八王子でのサービス管理責任者としての役割や仕事の内容を教えてください。
原島) 各利用者の個別支援計画を作成し、各職員に支援の方向性を浸透させ、進捗状況を確認していきます。それにともなって職員の教育や個別研修などもおこないます。それから保護者の方との連携や各関係機関との連携も重要な役割の一つです。

-軽度から重度までの支援を幅広く経験してきましたね。障害の重さによって支援の方法は変わるものですか?
原島) 重度の障害をお持ちの利用者様の場合、自分の要望をうまく伝えることができなかったり、起こっていることに対して自分で判断することが難しかったりします。そのため、利用者様自身で選択できることが限られており、職員が配慮して利用者様の意向をくみ取る場面が多くなります。
逆に軽度の障害をお持ちの利用者様の場合、利用者様自身でより良い選択をできるよう配慮します。
障害が軽度でも重度でも「できる部分を増やしていく」という目的は同じですが、年齢、障害の程度、種別に応じてアプローチの方法は違ってきます。また同じ年齢、障害の程度、種別でも個人個人の性格や成育歴・趣味嗜好・考え方は人それぞれなので、個別化したアプローチを心掛けています。

-障害福祉サービスの仕事のどんなところに魅力を感じていますか?
原島) 支援者としては、利用者様とラポール(信頼関係)を築き、支援を提供した結果として利用者様のできることが増え、利用者様のうれしそうな顔や自信をつけてきた様子を確認できた時にやりがいを感じています。
そしてサービス管理責任者としては、職員が支援する力をつけてきたことを確認できた時にやりがいを感じています。

-最後に、これから障害福祉の分野で働いてみたいと考えている人に、何か一言お願いします。
原島)私もそうなのですが、福祉未経験でも他の分野の仕事をされていた方でも興味がある方は飛び込んできてほしいと思います。他の分野の仕事をされていたことも決して無駄にはなりません。
利用者様のできることを増やすためにあなたの力を貸して下さい!
このインタビューだけでサード八王子の支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。

-まずは、簡単な自己紹介をお願いします。
永田)サード八王子で世話人をしている永田真人です。2019年5月に友セカンドのオープニングスタッフとして入社しました。2022年4月から友セカンド、2025年3月からサード八王子の主任世話人になりました。
-続いて、サード八王子での役割や仕事の内容を教えてください。
永田) 利用者様の日常生活の支援、通院の同行、金銭管理、関係機関や利用者様のご家族との連携などです。また、自閉症の特性を理解したうえで、一人ひとりの利用者様に合うように生活環境を整えることも重要な仕事です。
主任世話人として、新入職員の教育や、他の世話人からの相談に乗る、パート職員向けの研修なども行っています。
-「生活環境を整える」とは具体的にどんなことでしょうか?
永田)サード八王子の利用者様は、平均年齢は20代前半と若く、障害支援区分5~6で、重度の知的障害と自閉症を併せ持つ方がほとんどです。
言語コミュニケーションがむずかしく、「見通しを立てるのが苦手」など自閉症の特性をお持ちです。そのような方に「利用者様主体」での支援を実現するために必要なのが、生活の大まかな枠組みはこちらで管理させてもらいながら、本人が主体となって動ける「環境づくり」です。

永田) 具体的には、分かりやすいスケジュールの提示、行動の切り替えをうながすための視覚的ツール(写真・絵カードなど)の使用などを行っています。
SHIPでは、TEACCHプログラムの構造化や、応用行動分析などをみんなで学びながら、少しずつですが、適切な支援の提供を具体化しています。
-「利用者様が主体的に動きやすい環境づくり」ということですね。永田さんは、前職も障害者支援をしていたとお聞きしましたが、サード八王子では違いはありましたか?
永田) 前職は身体障害者の在宅支援を行っていましたが、自分の働くフィールドを広げたくて転職しました。軽度の知的障害の方とは前職でも関わることがありましたが、重度の知的障害・自閉症の支援は初めてでした。
言語でのコミュニケーションが難しいこともそうですが、「強度行動障害」といって、突飛な行動を取る方も多く、どの行動も最初は衝撃的でした。どう支援したらいいかも分かりませんでした。

-具体的には、どんなことがあり、どう対応してきたのでしょうか?
永田) 入浴や着衣を拒否する、尿失禁を故意にくり返す、壁に穴を開けるなど…。最初はただ驚き、不適切な行動とは分かっても、どうしていいか分かりませんでした。
上司に相談してアドバイスをもらい、内部研修で障害特性を学び、徐々に経験を積んでどう支援すればいいかが身についてきたと感じています。
時には、人が手伝う部分を少なくして、環境を変える方がうまくいくこともあります。服を着るのが苦手で、拒否してしまう利用者様がいましたが、着る服を壁にかけてわかりやすくして、支援者が直接促すのをやめたことがあります。
すると、スムーズにご自分で服を着られるようになりました。一見冷たい印象を受けるかもしれませんが、システマティックにした方が自閉症の方には分かりやすく、主体的に動けるようになることもあると、こうした実践を通して学びました。
-他に、支援の中で感じること、意識していることはありますか?
永田) 正直、利用者様たちの衝動的な行動には、何年経っても翻弄されることがよくあります。でも、行動だけ見ると突飛でも、その背景に必ず原因や目的があるので、その行動も「ご本人たちからのメッセージ」と思って、想いをくみ取れるよう意識しています。
そうすると、発語のない利用者様とでも、いろんな形でコミュニケーションが成立するようになります。お互いに「伝わった感じ」を体感できるとなんとも言えないうれしさを感じますね。
また、私たちは障害者を「できない人」と見てしまいがちですが、実際に関わってみると、できることはたくさんあって、ちょっとした一部分でつまずいて失敗体験になっていることがよくあると気づきます。「どう支援するか」の前に「どこに支援が必要なのか」を見極めることで、ご本人の主体性を活かした生活を実現していく、というのがサード八王子の支援の基本的な考え方です。

-最後に、今後の支援について、考えていることはありますか?
永田) もっと、重度の障害を持つ方の社会参加や社会認知が進んでほしい、そのために自分ができることをしたいと思っています。サード八王子のように障害支援区分が5~6の方を対象とするグループホームが地域にあるということ自体に、価値があると私は思います。
サード八王子の利用者様たちは、それぞれ唯一無二の魅力があると思いますし、自分自身がそうだったように、世の中の人たちに新しい気づきや価値観を与えられる人たちだと思います。自分が、地域の人たちと、利用者様たちとの橋渡しとなっていければと思います。
このインタビューだけでサード八王子の支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。