自閉症の子を持つ保護者の実体験 Rさんの歩み

暑さが日ごとに増してまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

日頃よりご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。

知的障碍者向けグループホーム、サード八王子の宮下です。

先日、息子の1歳半検診に行ってきました。少し不安もありましたが

猫はどれ?」「バナナはどれ?」といった問いかけに指さしで応える姿や、

積み木・型はめも問題なく、発語についても「これからだよ」と言っていただき安心しました。

…が、停留精巣かもしれないと言われ、正直何とも言い表せない気持ちになりました。

たくさん泣いたから引っ込んじゃったかもね。一応紹介状書いておきますね。

なんて言われて、完全に「なにそれ」状態ですよ。

手術が必要だとか将来不妊になるだとか。

色々調べたり考えながらその日息子とお風呂に入って確認したんです。

それではお聴きください。

First single 【あるやないかい

※移動性精巣の可能性もあるので病院に今度行ってきます。

さて、今回は私が配信者時代に仲良くしていただいた

自閉症の子を持つお母さんとそのお子さんのお話をしていきたいと思います。

(快く書くことを了承していただきました、ありがとうございます!)

諦めなかった日々ーーRさんの歩み

Rさんは現在、二人の男の子を育てながら祖父母と共に暮らしています。

20代前半での出産を経験したRさん。裕福とは言えませんが幸せな家庭を築いていました。

息子は少しやんちゃでしたが、かわいくてかわいくて。

初めての子ですから、発語がなく癇癪が多くても

発達には個人差がある。こんなものなのだろう」とあまり気にしていませんでした。

そんなある日、検診で「自閉症」と診断されます。

Rさんもお父さんも現実を受け止めることが出来ませんでした。

当時、二人目を妊娠していたようで、

お腹の子もそうなのかも知れない」と思うと怖くて堪らなかったそうです。

お父さんはその後も受け入れることが出来ず、紆余曲折あり一人で育てていく決心をしたRさん。

子供を保育園に預けている間にアルバイトを始めましたが、今後のことを思うと

このままでいいのか」と考える日々。そんな時、広告で流れてきた某配信アプリ。

すべてを賭ける思いで仕事を辞め、配信業の世界へ飛び込みます。

給料は不安定になるけど子供といたい。

周囲の声に惑わされず、自分の信じる道を選びました。

配信を続けながら

子供の自閉症についても時間があれば学び、少しずつ受け入れていくRさん。

ですがやはり、ふと思ってしまいます。

次男も自閉症だったら長男が周りの子と同じ発達をしていたら」と。

配信業もギリギリ生活できる給料にはなったが贅沢はできない。

セール品になった子供の服でさえ購入を戸惑ってしまいます。

おもちゃも全く買ってあげられない。プライベートを捨てても辛い現実。

何度、涙を流し良くないことを考えたか。

それでも、歯を食いしばり「もう少しだけやってみよう」と何度も自分に言い聞かせていました。

そのもう少しが繰り返され、なんとか持ち堪え長男が特別支援学校に入学した時、転機が訪れます。

周りには同じ境遇の方たちばかりで皆がここまで諦めず戦い抜いてきた同士です。

そこで良き理解者、相談のできる同世代の親御さん、仲間を見つけ心が救われました。

今では周りと比べることもなく、

長男が発達に特別な支援を必要としない生まれ方を選択肢として与えられても、

もう一度またこの子を産みたい」そう思えるそうです。

Rさんは最初の一年で96%が辞めていく世界で、今でも配信を続け、子供たちと強く生きています。

いかがでしたか。

自閉症の子を持つ親の気持ち。それを書くにはまだまだ経験が足りない私ですが

今回、Rさんのお力を借りて大まかに書かせていただきました。

あくまでもRさんの場合は、ということになってしまいますが

この仕事に携わる身として、子を持つ親として、考えさせられる内容でしたね。

あとがきにかえて

自閉症や知的障碍のあるお子さまを育てる保護者の中には

周りに頼れる方がいない」、「手段を知らない」、

もしくは「手段は知っているが実行に移すほど気力が残っていない

そんな状況に置かれている方も少なくありません。

そして、時には愛していたはずの我が子に手をかけてしまう。

…あってはならない悲しい出来事も、

報道されないだけで今現在でも起きています。

近年では選択肢が増え、以前と比べ格段に暮らしやすくなった。

ヘルパーと一緒に外出できるようにもなった。

サード八王子を含めグループホームも十分とは言えないがたくさん作られるようになった。

家族が悲しまなくて良い時代になった。将来への不安が少しずつなくなってきた。

この何十年でたくさんのことが変わった。なのにである。

私は伝えたい

家族だけで背負い込む時代ではないよ。他を頼っても家族を捨てたなんてことには決してならないよ。

私も、あなたも、家族も、みんな幸せになれる、なっていいんだよ。と。

誰もが安心して暮らせる社会を目指して。

すべての人が「幸せになっていい」と心から思えるように。

保護者様が右の補助輪を、私たちが左の補助輪を。

そんな素晴らしい支援ができるよう私たち社会福祉法人は、これからも尽力してまいります。

お気軽にお問い合わせください。