自閉症スペクトラム症への適切な支援とは?
皆様、こんにちは。
八王子市にあります知的障害者向けGHサード八王子の佐藤です。
GHサード八王子には知的重度で主に自閉スペクトラム症のご利用者様が多く住まわれています。
当法人ではTEACCHプログラムを参考として、自閉スペクトラム症の支援に力を入れています。
TEACCHプログラムとは
(TEACCH Autism ProgramTEACCH)は、アメリカ、ノースカロライナ州で州の自閉症支援制度として取り入れられているシステムのことである、診断、評価からそれに基づく自閉症プログラムの立案、さらに自閉症支援のサービスの総称であり、研究に基づく実践がノースカロライナ州内では展開されている。
知的障害者支援に携わる方であれば、多くの人がTEACCHという言葉を聞いたことがあると思われます。
あまりTEACCHに馴染みがない支援者の方にとっては、なんだか受け入れ難いなという印象を持つかもしれません。
私自身、TEACCHを参考にした支援を勉強中の身ですが、今回は支援者にとってTEACCHの考え方や支援方法は有益であることをお伝えできればと思います。
TEACCHについての誤解
一昔前の障害者支援では権利擁護意識が薄く、支援者がご利用者様を叱り躾けるといった支援が一般的でした。
現在ではこのような支援は権利侵害とされ、ご利用者様のウェルビーイング(満たされている・幸福な状態、自己実現)の視点に根差した支援が重要とされています。

TEACCHでは自閉スペクトラム症ならではのユニークな物事の捉え方・感じ方に注目し、自閉スペクトラム症への理解を深めることを重視しています。
こういった視点を基に、ご本人が豊かな生活を送るために必要な支援を継続することでウェルビーイングを目指しています。
TEACCHと言えば視覚支援と誤解されることがあります。
これはまったく間違った認識というわけではないのですが、この誤解によりTEACCHを参考にしているようで見当違いの支援を実践してしまっているということがあります。
例えば、TEACCHでは自閉スペクトラム症の方が苦手な見通しを持つことをフォローするために、1日のスケジュールを目で見える形で示すことがあります。

このようにしてイラストや写真等のカードを用いて、1日の予定を見て理解できるようにすることで、先の見通しを持てるように支援します。
このスケジュール1つとっても、適切な理解がなければ見当違いの支援方法になり得ることがあります。
上記のスケジュールをこのようなご利用者様を対象として使用する場合だとどうでしょうか。
- イラストや写真で想像しにくい人だとしたら
- たくさんの情報があると混乱してしまう人だとしたら
- 興味があるスケジュールカードにしか着目できない人だとしたら
どうでしょう、あまり上手く活用していただける想像ができない気がします。
つまり、ご利用者様それぞれの特性・能力に合わせた支援でなければ意味がなく、却って不安をあおる逆効果となってしまうこともあります。
自閉スペクトラム症の方にはスケジュールの使用が有効だという方法論が先走り、「なぜ」「なんのために」という点が抜け落ちてしまうと、このように効果的な支援には結びつかない場合があります。
自閉スペクトラム症の視点に立つ
支援における方法論を学ぶことも大切ですが、最も重要な支援の根幹は「自閉スペクトラム症のご利用者様の視点に立って物事を考え、その人について理解する努力をすること」となります。

そうして理解した上でそのご利用者様に合った方法論、コミュニケーション方法等を選択していき、適切な支援を組み立てていきます。
一度、支援方法を決定して実践したとしても、経過を観察して改善点があれば都度手を加えていく、ご利用者様の学びに合わせて変化させていく等の後追いも重要になってきます。
TEACCHでは「自閉スペクトラム症への正しい理解」「家族との協同」「幅広い知識・経験による支援」「構造化」といった要素が柱となっています。
つまり、よくある誤解として例に挙げた視覚支援とはTEACCHを構成する1つのエッセンスに過ぎず、また決まった形がある絶対的な固定概念ではないと言えます。
どうでしょう、少しTEACCHについてのイメージが湧きましたでしょうか。
GHサード八王子は現在TEACCHを参考にした効果的な支援を組み上げていく過程にあります。
もし、興味を持たれたら一度見学にいらしてみてください。
現場からは以上です。

