🚢 SHIP BRIDGE|第2回 心理学基礎編|記憶のメカニズム

こんにちは。

社会福祉法人SHIP「サード八王子」で世話人として勤務しながら、社会福祉士を目指し、通信制大学で学んでいる橋爪です。

大学で学んだ知識を教科書の中だけで終わらせるのではなく、障がい福祉やグループホームでの実践、自閉症のある方への支援と結び付けながら、
「学びを支援へ。支援を安心へ。」という思いを、この「SHIP BRIDGE」を通してお届けしています。

第1回では、心理学の基本である「観察・記録・検証」についてご紹介しました。

第2回のテーマは、私たちの生活にも深く関わっている「記憶のメカニズム」です。

「さっき聞いたのに、もう忘れてしまった。」
「昔の出来事なのに、今でもよく覚えている。」

人は、どのように情報を覚え、それを保ち、必要なときに思い出しているのでしょうか。

今回は記憶の仕組みを通して、「どうすれば、その人に伝わりやすくなるのか」という支援のヒントを考えてみましょう。

それでは、第2回心理学基礎編の航海へ出発しましょう。🚢

📚 Today's Bridge

記憶は「覚える」だけではない

「記憶」というと、何かを頭の中に覚えておくことを想像するかもしれません。

大学では、記憶の基本的な過程を、大きく三つの流れから学びました。

記銘 → 保持 → 想起

📝 記銘 ― 情報を取り込む

記銘とは、目や耳などから入ってきた情報を、記憶として取り込む過程です。

情報の意味を考えたり、すでに知っていることと関連付けたりすることも、記憶につながる大切な働きです。

🧠 保持 ― 情報を保っておく

取り込んだ情報を保っておく過程が「保持」です。

例えば、聞いた電話番号を一時的に覚えておくような「短期記憶」と、出来事や知識などをより長く保つ「長期記憶」があります。

長期記憶には、出来事や経験に関する「エピソード記憶」や、一般的な知識などに関する「意味記憶」があります。

🔎 想起 ― 必要なときに思い出す

保持した情報を、必要なときに思い出す過程が「想起」です。

「昨日の夕食は何だったかな?」と思い出すことも想起の一つです。

一方、自転車の乗り方のように、言葉で思い出さなくても、経験を通して身に付いたことが行動に表れる記憶もあります。

つまり「覚える」という働きの中には、「取り込む・保つ・思い出す」という過程があるのです。


🌉 Bridge Note

記憶の仕組みから考える「その人に伝わる支援」

大学で「記銘・保持・想起」という記憶のメカニズムを学んだとき、私は日々の支援とのつながりを感じました。

障がい福祉の現場では、利用者様の行動だけを見るのではなく、

「なぜ、その行動が起きているのだろう?」

と、その背景を考えることが大切です。

例えば、これから行う予定が分からず、不安そうな様子が見られたとします。

そこで「予定を覚えてもらう」と考えるだけではなく、記憶の仕組みに沿って考えてみます。

  • どうすれば、情報を取り込みやすいだろう?
  • どうすれば、覚えやすいだろう?
  • 必要なときに、どうすれば思い出しやすいだろう?

そのためには、まず「その人を知ること」が出発点になります。

写真を見ることが得意なのか。決まった場所や手順が分かりやすいのか。好きな物や活動は何なのか。

こうした一人ひとりのストレングスや好きなこと、分かりやすい方法をアセスメントすることが、支援を考える大切な手掛かりになります。

例えば、言葉だけで伝えるのではなく、その方に合った写真や絵カード、スケジュールなどを活用する。

物の場所を分かりやすくしたり、活動の始まりや終わりを示したりして、環境そのものを分かりやすく整える。

こうした構造化された支援によって、必要な情報を本人が確認しやすい環境をつくることができます。

「その人の強みを生かして、
分かりやすい環境をどうつくるか。」

記憶のメカニズムを知ることも、一人ひとりの「分かる」を支え、安心した暮らしにつなげるための一つのヒントになるのだと思います。


💡 Today's Point

📝 記銘

情報を
取り込む

🧠 保持

情報を
保つ

🔎 想起

情報を
思い出す

記憶は、「覚えた・覚えていない」だけではありません。

どのように情報を受け取り、保ち、思い出すのか。

その仕組みに目を向けることが、「その人にとって分かりやすい伝え方」を考える第一歩になります。


🎯 Challenge!

今日の航海の内容を振り返りながら、チャレンジしてみましょう!🚢

では、次の3つの問題の答えを選んでクリック!

問題①

記憶の基本的な過程として、正しい組み合わせはどれでしょう?

① 観察・記録・検証

❌ ブブー!
これは第1回でご紹介した、心理学を科学として考えるための大切な視点です。


② 記銘・保持・想起

🎉 正解!
情報を取り込む「記銘」、保つ「保持」、必要なときに思い出す「想起」。この三つが記憶の基本的な過程です。


③ 視覚・聴覚・触覚

❌ ブブー!
これらは情報を受け取るための大切な感覚です。今回学んだ基本的な過程は「記銘・保持・想起」です。

問題②

利用者様への「伝わる支援」を考えるとき、大切なのはどのような視点でしょう?

① すべての利用者様に同じ方法で伝える

❌ ブブー!
分かりやすい方法は一人ひとり異なります。その方の特徴や強みを知ることが大切です。


② 言葉で繰り返し伝えることだけを大切にする

❌ ブブー!
言葉だけではなく、その方に合った写真や絵、環境などを活用する方法もあります。


③ ストレングスや好きなことを知り、その人に合った方法を考える

🎉 正解!
その方の得意なことや好きなこと、分かりやすい方法をアセスメントすることが、支援を考える大切な手掛かりになります。

問題③

今回の記事で一番お伝えしたかったことは何でしょう?

① 一度伝えたことは、必ず覚えてもらう

❌ ブブー!
大切なのは、単に「覚えてもらう」ことだけではありません。


② 記憶力を高めることが支援の目的である

❌ ブブー!
記憶力そのものではなく、その人に合った方法や環境を考え、安心した生活につなげることが大切です。


③ その人の強みを生かし、分かりやすい方法や環境を考える

🎉 正解!
記憶の仕組みと、その方のストレングスを合わせて考えることで、「分かる」を支える方法や環境を考えることができます。

🌟 Challenge Complete!

全問正解できましたか?😊
また次回のChallenge!にも、ぜひ挑戦してくださいね。🚢🌉


🌊 今日の航海日誌

今回、記憶のメカニズムについて学び、「覚える」という言葉の中にも、いくつかの過程があることを知りました。

この学びを支援に置き換えてみると、「覚えているか」だけではなく、「その人にとって、どうすれば情報が分かりやすくなるのか」という視点が見えてきます。

その方の得意なことや好きなことを知る。写真や絵など、その方に合った方法を考える。必要なときに自分で確認できるよう、環境を整える。

そんな小さな工夫が、利用者様にとっての「分かる」や「安心」につながることがあるのではないでしょうか。

私自身も現場で学び続けながら、大学で得た知識を一つひとつ日々の支援へ橋渡ししていきたいと思います。


🚢 SHIP BRIDGE

学びを支援へ。支援を安心へ。

私自身も現場で学び続けながら、この航海を皆さんと一緒に歩んでいけたら嬉しいです。

また次回の航海でお会いしましょう。🚢🌉


🚢 次回の航海予告

テーマ:「古典的条件づけと道具的条件づけ」

私たちは、日々のさまざまな経験を通して新しいことを学んでいます。

次回は「古典的条件づけ」と「道具的条件づけ」を通して、人が経験から学ぶ仕組みを知り、日々の支援に生かせるヒントを考えてみましょう。

どうぞお楽しみに。🚢🌉


🚢 SHIP CREW 募集中

社会福祉法人SHIPでは、利用者様一人ひとりの「安心した暮らし」を支える仲間を募集しています。

知識や経験以上に大切なのは、「人を想う気持ち」と「学び続ける姿勢」です。

この「SHIP BRIDGE」を通して、「こんな支援を実践してみたい」「もっと学んでみたい」と感じていただけたなら、とても嬉しく思います。

いつか同じ船で、それぞれの学びを持ち寄りながら、利用者様の安心した暮らしを支えていける日を楽しみにしています。

心より、新しい仲間との出会いをお待ちしております。

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